24日、クリスマスイブのお楽しみは、クリスマスツリーを飾ること。花屋で仕事をしていた頃は、忙しくてとても手伝えなかったけれど、タクマが生まれてからは、クリスマスツリーを飾るのは、私の仕事になりました。今年もおじいちゃんが山に行って、素敵なツリーを切ってきてくれました。この田舎では、各家庭1本、毎年山からモミの木を切ってきていいことになっています。
田舎ではみんな24日から、クリスマスツリーを飾り付けします。スイスのクリスマスツリーは、フレッシュな生のモミの木で、そこに本物のキャンドルを飾るのです。早くから家の中にツリーを飾ると、暖房で乾燥して、モミの木が燃えやすくなり、木の家が多い田舎では、特に火事になりやすく、とても危険なのです。(モミの木の横には、必ず、火を消す専用の布を用意します。)毎年、クリスマスツリーで火事になるニュースがあるのに、それでもこうしてクリスマスツリーを飾るのは、毎年お餅をのどに詰まらせて亡くなる人がいても、お正月にはおもちという日本の風習が無くならないように、「これでなくっちゃクリスマスじゃない!」そんな気持ちなんでしょうか・・・。
クリスマスキャロルを口ずさみながら、タクマと2人、飾り付けをしました。私達のコンビ、もうクリスマスデコレーションのお花の仕事の時から、バッチリです!タクマが、オーナメントを渡す人、私が飾る人。私は花屋の娘だから、クリスマスの時期に、ゆったり過ごした事なんて、日本ではなかったので、スイスに来て、タクマが生まれて初めて、こうしてクリスマスチックなことをゆったりする楽しさを知りました。スイスは、キノコや松ぼっくり、ベル、ねずみちゃんの形をしたチョコレートのオーナメントも飾ります。タクマは、「一つ食べてもいい?」そればっかり。(笑)だめだよー。これは、後でのお楽しみだからね。
夜になると、人口200人の小さな村の小さな教会に、たくさんの人がクリスマスイブのミサのために集まってきます。天井にまで届くクリスマスツリーにも、本物のキャンドルライトが灯されて、やさしい灯りの中でクリスマスのミサが始まります。
今年も、子供達がクリスマスの劇を一生懸命がんばってくれました。宗教のようなお話ではなくて(それがベースだけれど。)、この村独特のいなかっぺ言葉で、子供達にもわかるような、クリスマスにみんなで元気にこの聖なる夜を迎えられることができることの幸せを、楽しい劇にしてあります。タクマも真剣に見入っていました。
久しぶりに会う村の子供達が会うたびに成長していて、本当にびっくりしてしまいます。赤ちゃんだった子が、少女に、小さな少女だと思っていた子が、いつの間にかティーンエイジャーになって、とってもきれいなお姉さんになっちゃって、ボーイフレンドを連れていたり、もうびっくり!私もおばさんになるわけだよ。初めてこの村を訪れたのは、10年も前のこと。この小さな村の雪景色に、静岡育ちの私は、本当にびっくりしました。肉まんのようにぼんぼん降り積もる雪、初めて見る光景でした。
そして、教会から帰ると、家の外にキャンドルが灯されて、私達を迎えてくれました。おじいちゃんとパパが用意してくれたクリスマスイブのディナーがテーブルの上に用意されていて、私達を待っていてくれました。毎年同じだけど、毎年同じクリスマスを迎えられること以上の幸せはないことを、教会の劇で教えてもらったような気がします。
みんなでクリスマスプレゼントを交換して、タクマも大興奮!包みを開けて、両手に耳を当てながらびっくり、大喜びするタクマの姿を見て、みんなが幸せな気持ちになりました。メリークリスマス!今年も家族9人で、楽しいクリスマスが過ごせて本当によかった・・・!